11月28日にある「古楽器で楽しむ古典派音楽inアミーゴ!」の聴きどころを少しずつご紹介したいと思います。
今回演奏するのは、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの「6つのディヴェルティメント Hob.IV:6~11」(1784) という曲集です。
この曲集はフルート(又はヴァイオリン)、ヴァイオリン、チェロのための三重奏ですが、ハイドン自身のオペラ「月の世界」からの転用(以前書いた曲又はその一部を再度利用する)が多く見られます。
ハイドンと言えば、交響曲や弦楽四重奏曲が有名ですが、仕えていたエステルハージ家のニコラウス侯爵は、宮殿内にオペラ劇場を建てたほどのオペラ好きでしたので、ハイドンも20数作のオペラを書いたとされています。
「月の世界」はその内の一つで、1777年8月3日にエステルハージ宮殿歌劇場で初演されました。ストーリーは、オペラによくあるような、恋と結婚のどたばた喜劇ですが、それが人間の月に対する想いや想像を軸に進められ、物語に格別な奥行きと面白さを与えています。
ハイドンは、「6つのディヴェルティメント」全6曲の内、5曲(内、6つの楽章)で、「月の世界」からの転用を行っています。ほとんど手を加えずに転用している曲もありますし、かなり手を加えて転用しているものもありますが、いずれにしても、私たちは、フルート、ヴァイオリン、チェロという小さな編成の室内楽曲の中に、オペラの美しいアリアや舞曲、合唱曲などを聴くことができます。
ちなみに「月の世界」は初演後、エステルハージでも他の場所でも再演されることはなかったということです。
ここから推測するに、このオペラをもったいなく思ったハイドンが、ここから「6つのディヴェルティメント」への転用を思いついたのか!?、
または、「6つのディヴェルティメント」の、出版社との締め切りに追われたハイドンが、あまり人に聴かれていない「月の世界」からの転用を思いついたのか!?
・・・真偽のほどはご本人に聞いてみないと分かりませんが、いずれにしても、この曲集は、6曲それぞれがとても個性があり、ハイドンの楽しさや美しさがぎゅっと凝縮されたような、とても魅力的な曲集です!
また続けて聴きどころをご紹介していきたいと思いますが、今日はこの辺で・・!
おかげさまで昼公演はお席残りわずかとなっております。
夜公演はお席、まだまだ大丈夫です! ご都合よろしければ、ぜひお出かけ下さい😀
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古楽器で楽しむバロック音楽番外編
古楽器で楽しむ古典派音楽 in アミーゴ!
【プログラム】
F.J.ハイドン:6つのディヴェルティメント Hob.IV:6*,7,8,9,10**,11(*昼公演のみ、**夜公演のみ)