2021年11月3日水曜日

古楽器で楽しむ古典派音楽 聴きどころ①

 11月28日にある「古楽器で楽しむ古典派音楽inアミーゴ!」の聴きどころを少しずつご紹介したいと思います。

 今回演奏するのは、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの「6つのディヴェルティメント Hob.IV:6~11」(1784) という曲集です。

 この曲集はフルート(又はヴァイオリン)、ヴァイオリン、チェロのための三重奏ですが、ハイドン自身のオペラ「月の世界」からの転用(以前書いた曲又はその一部を再度利用する)が多く見られます。 

 ハイドンと言えば、交響曲や弦楽四重奏曲が有名ですが、仕えていたエステルハージ家のニコラウス侯爵は、宮殿内にオペラ劇場を建てたほどのオペラ好きでしたので、ハイドンも20数作のオペラを書いたとされています。

 「月の世界」はその内の一つで、1777年8月3日にエステルハージ宮殿歌劇場で初演されました。ストーリーは、オペラによくあるような、恋と結婚のどたばた喜劇ですが、それが人間の月に対する想いや想像を軸に進められ、物語に格別な奥行きと面白さを与えています。

 ハイドンは、「6つのディヴェルティメント」全6曲の内、5曲(内、6つの楽章)で、「月の世界」からの転用を行っています。ほとんど手を加えずに転用している曲もありますし、かなり手を加えて転用しているものもありますが、いずれにしても、私たちは、フルート、ヴァイオリン、チェロという小さな編成の室内楽曲の中に、オペラの美しいアリアや舞曲、合唱曲などを聴くことができます。

 ちなみに「月の世界」は初演後、エステルハージでも他の場所でも再演されることはなかったということです。
 ここから推測するに、このオペラをもったいなく思ったハイドンが、ここから「6つのディヴェルティメント」への転用を思いついたのか!?、
 または、「6つのディヴェルティメント」の、出版社との締め切りに追われたハイドンが、あまり人に聴かれていない「月の世界」からの転用を思いついたのか!?

 ・・・真偽のほどはご本人に聞いてみないと分かりませんが、いずれにしても、この曲集は、6曲それぞれがとても個性があり、ハイドンの楽しさや美しさがぎゅっと凝縮されたような、とても魅力的な曲集です!


 また続けて聴きどころをご紹介していきたいと思いますが、今日はこの辺で・・!

 

 おかげさまで昼公演はお席残りわずかとなっております。

 夜公演はお席、まだまだ大丈夫です! ご都合よろしければ、ぜひお出かけ下さい😀

 

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古楽器で楽しむバロック音楽番外編

古楽器で楽しむ古典派音楽 in アミーゴ!

【プログラム】

F.J.ハイドン:6つのディヴェルティメント Hob.IV:6*,7,8,9,10**,11
(*昼公演のみ、**夜公演のみ)

【演奏】
新井道代(クラシカル・フルート)、池田梨枝子(ヴァイオリン)、野津真亮(チェロ)

【入場料】 前売 2000円 当日 2500円

2021年1128日(日) 
昼公演 14時開演(13時半開場) 夜公演 18時開演(17時半開場)
(各回25席)

入間市文化創造アトリエ・アミーゴ! スタジオ (西武池袋線仏子駅北口徒歩5分)

【お申込み、お問合せ】
コンサート事務局  メール:baroque.office@gmail.com Tel:050-7132-0903