先日、生徒さんの一人で、今春音大を卒業するM君が、挨拶のためにわざわざ家に来てくれた。
教育科のフルート専攻だけれども、トラヴェルソが大好きで、当時の担当教員だった先生が、私のことを紹介して下さり、うちにレッスンに来るようになった。
初めてうちに来た時、今どき、こんな礼儀正しい真面目な大学生がいるのか、と驚いたのだけれど、今回も挨拶のためにわざわざ来てくれたことに、心底、感心して感動した。
なんとも目出たいことに、教員採用試験に合格して、4月から中学校の先生になると言う。
なかなかの倍率だったそうで、本人は、なぜ受かったのか分からないと言っていたけれど、挨拶に来てくれたM君と、初めて、面と向かって(レッスンの時はいつも横並びで、主に私が喋っている・・)、ちゃんと長い時間お話をしてみて、M君を合格させた試験官の方達の気持ちが分かったような気がした。目をそらさずにちゃんと話し、背伸びはしないが自分の考えをちゃんと言える。
もし自分が中学生だったら、こんな先生がいたらいいな、という感じ。
音大というある種、特殊な環境にいながら、M君がちゃんと自分の道を見つけたことが本当に良かった。
フルートが上手なのはもちろん大事なこと。
だけどもっと大事なのは、自分で考えて、自分の人生を切り開いていくことなのかも知れない。