♪22日の演奏会「フランス革命を生きた音楽家たち」に登場する音楽家紹介♪
今日は、フランソワ・ドゥヴィエンヌ(1759-1803)です。
フルートの音色、技巧を余すことなく生かした作風で、今なお多くのフルート奏者に親しまれているドゥヴィエンヌ。
そのドゥヴィエンヌのパリでのキャリアは、20歳でオペラ座の第5ファゴット奏者に就任したことから始まります。
ファゴット奏者として演奏する傍ら、同じオペラ座の第1フルート奏者、フェリックス・ローの下でフルートの研鑽を積み、後にフルートの名手として活躍するための素地を築きます。
オペラ座を1シーズンで辞めたドゥヴィエンヌは、ロアン枢機卿の下で音楽家として働き始めますが、同時にパリの様々な演奏会で演奏するようになり、特にコンセール・スピリチュエルでは高い称賛を得て、人気演奏家となります。
また、ドゥヴィエンヌは1781年にフリーメーソンに入会しています。啓蒙主義を実践していく場であったフリーメーソンには当時、音楽家も多く入会しており、ブラヴェやゴセック、モーツァルトなども加盟していました。
ドゥヴィエンヌはロージュ・エ・ソシエテ・オランピックというフリーメーソンの中の音楽家の集まり(ロッジ)に属し、このロッジが定期的に開催していた演奏会にオーケストラ奏者として出演していたようです。
このオーケストラの名声は高く、マリー=アントワネットも仲間の貴族らと頻繁に聴きに来ていました。
さて、1780年からロアン枢機卿の下で音楽家として働いていたドゥヴィエンヌですが、1785年に枢機卿がヴェルサイユ宮殿の鏡の間で逮捕されるという事件が起こります。
マリー・アントワネットを巻き添えにした有名な詐欺事件、「首飾り事件」です。逮捕された枢機卿は裁判の結果、無罪となりましたが、国王は枢機卿を左遷し、ドゥヴィエンヌは職を失うことになります。
その後、ドゥヴィエンヌがどのように生計を立てていたのか不明な時期はあるものの、1789年にフランス革命が起きた時には、ドゥヴィエンヌはテアトル・ド・ムッシューという劇場オーケストラの第2ファゴット奏者を務めていました。
そして1790年に、ゴセックが統率していた国民軍軍楽隊に入隊します。ドゥヴィエンヌもまた革命歌を作曲し、そして革命の式典が行われる際には、人々の住む町に出向いて、式典当日に歌うための賛歌を指導したそうです。
そのような革命の渦中にありながら、1794年に1キーフルートのための教則本を出版、そして1795年には、パリ音楽院が設立されると同時にフルートクラス一級教授に就任します。
波に乗っているかに見えたドゥヴィエンヌですが、革命による心労か、精神を病み、1803年に精神病患者を収容するシャラントンの病院で、4ヶ月の入院の末、亡くなります。まだ43歳の若さでした。
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ドゥヴィエンヌの音楽は、華やかでありながら時に哀しく、時に激しく、そしてラテンの血を感じさせる! と個人的には思っています!
ぜひ、22日、革命に翻弄された音楽家の作品を聴きにいらして下さい♪
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コルテ・デル・トラヴェルソ Vo.25
フランス革命を生きた音楽家たち
2024年9月22日(日) 昼公演14時 夜公演18時
【プログラム】
I. プレイエル:フルート四重奏曲 ニ長調 B.381
F. ドゥヴィエンヌ:フルート、ヴィオラ、チェロのための三重奏曲 ハ長調
F. ドゥヴィエンヌ:フルート四重奏曲 ロ短調 Op.16-1
H. ジャダン:弦楽三重奏曲 変ホ長調 Op.2-1
G.B. ヴィオッティ:フルート四重奏曲 ハ短調 Op.22-2
【出演者】
新井道代(フラウト・トラヴェルソ)、宮崎桃子(ヴァイオリン)、廣海史帆(ヴィオラ)、野津真亮(チェロ)
【会場】Spcae415 (中野区新井2-48-12)
【入場料】ご予約 4000円(会員3500円)
当日 4500円(会員4000円)