2013年5月18日土曜日

オトテールフルート

そろそろ6月9日の、古楽研究会SPACE1Fでのコンサートが近づいてきました!
このコンサートでは、私と菊池香苗さんのフルート組は、”オトテール”モデルのフルートで演奏します。

”オトテール”モデルのフルートは、18世紀の前半にフランスで用いられていた楽器で、
大きな特徴としては、ピッチがA=392であることがあげられます。

普段、古楽の演奏会で用いられるピッチは、A=415で、これは、現代のピッチからすると半音低いのですが、A=392になると、さらに半音低く、現代ピッチよりは全音分低いことになります。

なので、例えば”レ”の音を、このオトテールモデルのフルートで吹いても、現代のピッチに耳が慣れている方には、それが”ド”に聞こえる、ということになります。

それから、普段私が用いているバロック・フルートは、オトテールモデルよりも後期のもので、全体が4分割できるのですが、オトテールモデルは、3分割にしかできないようになっています。
なので、真ん中の胴部管が長い!です。


実際に演奏するときには、まず、構えると、普段吹いているモデルのものよりも管体が長くて太い(ピッチが半音低いので)ので、指を普段より大きめに開かないと穴に届かない、、、ということになります。
そして、楽器自体も、普段吹いているモデルよりかなり重いので、初めは結構、腕などが疲れました!

私のオトテールモデルのフルートは、杉原さんという日本人の製作家の方が作ったものです。
もともと、知り合いのトラヴェルソ奏者の方が使っていたものを買わせていただいたのですが、頭部のキャップと、頭部管と胴部管をつなぐジョイント部だけ、新たに杉原さんに作っていただきました。

つい先日、そのキャップとジョイント部が来たのですが、黒地に白のラインが入っていて、なかなかモダンで新鮮です!

楽器自体も、しっかりとふくよかに鳴ってくれて、とても気に入っています。

コンサートまで、この楽器とともに、オトテールの世界を愉しみたいと思います!