2022年4月9日土曜日

レッスン録「お手玉」

先日のモダン・フルートのレッスンを書き留めておきたいと思います。

生徒さんはSさん。
曲は、シューベルトの『冬の旅』より「春の夢」でした。

Sさんは、基本的にとても良い音をお持ちで、ロングトーンの練習をしている時などには、素晴らしい音色で吹いていらっしゃいます。
でも、曲になると、その音質を維持するのが難しい、という面があります。

この、”ロングトーンの時の音”と”曲の時の音”の差を、段々縮めていけたら良いなと思って、レッスンをしています。

この日は、いきなり曲から吹いていただきました。
いつもはロングトーンをしてから、なのですが、順序にこだわらずに、その都度、必要なものを考えて取り組む、というのも大切かなと思います。

ちゃんと練習してきているのは良く分かったのですが、やはり音が、Sさんが本来出せるはずの良い音からは離れてしまっていたので、その曲の冒頭の音域のロングトーンを丁寧にやってみました。
体への意識、指の連結、音のシェイプ、音の切り際のアンブシュア等々・・・。
音の組み合わせこそ、3つ位しか進めませんでしたが、色々な所への意識、気付きを持って取り組んでいただきました。

それで、また曲に戻ってみた所、音はかなり改善されました。
が、その分、今度は、”しなやかさ”が今一つないのが気になります。

やはり、全ての音をちゃんと吹かなければ、と思いすぎているがゆえ、なのかなと思い、
”「お手玉」を放り投げながら吹くイメージ”を提案してみました。

「春の夢」は、8分の6拍子なので、1小節を2つに分けて(付点4分音符が2つ)、初めの付点4分音符で右手から左手にお手玉を投げる、次の付点4分音符で、左手で受け取ったお手玉を右手に投げる・・、という感じで、私が吹いて、Sさんには”エアお手玉”をやっていただきました。

お手玉を投げる、”きっかけ”の所に、1拍目や4拍目という”大切”な音が来て、そしてお手玉が飛んでいく”軌跡”に、2,3拍目、5,6拍目の音が自然に入っていくようにイメージして・・。

これがやってみると、なかなか、楽しいのであります。
”エアお手玉”は、なんだか指揮と似ているような感じです。

そのイメージを持ったまま、Sさんに吹いていただきました。
前よりもずっと、リズム感、音のシェイプなどが付いていて、体の動きもずっと良くなっていました。
そしておまけに、音質も、ずっと良くなりました。

リズムや体の動きを使って、「音楽そのもの」に”楽しく”乗って練習すると、手ごわいと思っていた課題もすんなり解決することが多いのでは? と思います。

問題、課題を一つずつ取り出して、”今日はこれを克服しなければ~!” ではなくて、
毎回の練習で、音楽そのものと向き合って、その音楽がどう表現されたがっているのかを考えて、音楽に乗って練習する。
ということが、技術の向上の、結局は一番の近道なのかな、と思います。
(でも、そもそも技術と音楽を分けて考えることは、できません・・!)

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