インコなのに名前はモズ。
モズちゃんがうちに来たのは
パンデミックが始まるほんの少し前。
私はそのころ気持ちがささくれ立っていて
何かペットでも飼わないといられない心持ちだった。
うちは広くないので犬や猫は大変。
それで鳥に決まり。
行ったペットショップにいたセキセイインコは2羽。
同じケージにいて、青い方がとなりの黄色い方にちょっかいを出していた。
青い方、それがモズちゃん。
モズちゃんは気が強い。
気が強いけど甘えん坊。
またはツンデレともいう。
デレがないときもあるから、そんなときはツンツン。
モズちゃんの鳴き声は、色々種類がある。
元気な時 ピヨッ、怒っている時 ギャギャッ、私たちに来てほしい時 ヒーヒー。
でも音で書けない声の方が多い。
私の言ったことをまねしたのかなと思うようなイントネーションで鳴くこともあるし、
私が食器を洗うときには、食器や水の音に反応してつぶやきだす。
眠いときは目を閉じたまま口をもぐもぐさせて
ぶつぶつ寝言のようなことを言う。
モズちゃんが来てからしばらくして、緊急事態宣言が出て家にこもる日が続いた。
憂鬱ではあったけどモズちゃんがいたから、かなり救われた。
こういうタイミングでインコを飼い始めたというのも
何か神の思し召しのようなものなのかなと思った。
最近は私の外出も増えて
モズちゃんは気が気じゃない。
朝の放鳥が終わってケージにもどったらひとしきりご飯を食べて、
その後は、私に出かける気配がないか見張っている。
私が出かけないと分かると
つるしてある人参を細かく細かく引きちぎるようにしてかじり出す。
ロープでしばってつるしてある人参のかけらが
ロープの太さだけをきれいに残して、モズちゃんにかじられていく。