2016年1月24日日曜日

第1回ワークショップ終了

昨日、第1回トラヴェルソ・ワークショップを行いました!

まず、フルートの歴史全体のお話をしながら、18世紀に用いられていた1キーのフルート、トラヴェルソの特徴について説明をしました。

ここに少し記しておこうと思います。

トラヴェルソは順に指を離していくとD-dur(ニ長調)の音階が出ます。
D-durの音階内にある音は音色も音程も良く、音量も出ますが、それ以外の音は、クロス・フィンガリング(フォーク・フィンガリング)と呼ばれる指使いの工夫で作っていくため、音色は焦点がさだまりにくくこもりがちで、音程もとりにくくなっていきます。

ですので、トラヴェルソのとってD-durは一番演奏しやすい調ですが、そこから離れた調に行くにしたがって運指も複雑になり、音程もとりにくくなり、演奏が困難になってきます。

このことは、現代の、どの調でも同じように美しく演奏することの出来るモダン・フルートの観点から見ると、単純に原始的な楽器であったかのように思われるかも知れませんが、18世紀という時代を見てみると、決してそうとは言えないことに気が付きます。

この時代はまだ社会全体も封建社会(王様がいて、貴族がいて、農民がいて・・というように主従関係のはっきりとした身分階級制度のある社会)で、また、音楽にもヒエラルキーや不均等性というものが存在していました。
人が生まれながらにして身分や階級が決まっていたのと同じように、楽器にも”出来ることと出来ないこと”、”得意なことと不得意なこと”があるのは当然のことと考えられていました。


・・・という説明のあと、
運指表を見ながらD-durの音階、G-durの音階などを実際にやってみました。
その後は、バロックとは全く関係ないのですが、運指に慣れるために”メリーさんのひつじ”などのかんたんな曲を何曲か吹いてみました。

そしていよいよ(?)、マタイ受難曲に出てくるコラールの練習に・・・。
昨日は、ソプラノパートのみを取り上げました。
初めは”シ”だけなのですが、割とすぐに”ラ♯”、”ソ♯”という、クロスフィンガリングで作る音が連続して出てきます。
この辺りの運指はモダン・フルートと全く違いますので、受講された方もてこずっていたようですが、何回かやっている内に通ってくるようになりました。

最後は私がバスパートを演奏して、即席アンサンブルができた! という所で終了になりました。


次回は3月13日(日)です。
一般クラス13:00~14:30、専門家クラス15:00~16:30 です。


もちろん1回の参加でトラヴェルソが吹けるようになる!ということではないのですが、何がモダン・フルートと違うのか? 何が難しいのか? など、実際にやってみると色々と感じていただける所があると思います。
トラヴェルソって興味はあるけど、今までやる機会がなかった・・・、という方の、体験の場になれば嬉しいです。

皆さまのご参加をお待ちしております☆







2016年1月18日月曜日

トラヴェルソ ワーク・ショップ 第1回

先日こちらでもご案内を書きました、トラヴェルソのワーク・ショップの第1回が近づいてまいりました!

まだ一般のクラス、専門家のクラス、どちらも空きがありますので、ご興味のある方はぜひお申し込みいただければと思います。
皆さまのご参加をお待ちしております!

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フルート奏者のための 
トラヴェルソ・ワークショップ

普段はモダン・フルートを吹いている方のための
トラヴェルソ体験講座です。

トラヴェルソは未経験、またはほとんど吹いたことがないフルート奏者の方に
トラヴェルソを実際に経験していただくワークショップです。
モダン・フルートとこんなに違うんだ、という驚きから何か発見があるかも知れません!

【日程】   第1回 2016年1月23日(土)一般クラス14:0015:30 専門家クラス15:3017:00
        第2回 3月13日(日)一般クラス13:0014:30 専門家クラス 15:0016:30
       第3回 5月21日(土)一般クラス13:0014:30 専門家クラス 15:0016:30
  一般クラス:趣味としてフルートを演奏される方のためのクラス
  専門家クラス:音大等でフルートを専門的に勉強している方、勉強した方のためのクラス

   *各回定員4名。楽器は一人一本を無料でお貸しします。1回のみの受講も、複数回の受講も可能です。

【内容】 楽器の説明や音階を吹いてみることから始め、最後はバッハの「マタイ受難曲」に出てくるコラール
      を題材に練習します。 

【受講料】 2500円(楽器レンタル代、資料代込み)

【会場】 アトリエ・ソノーロ 1600022 新宿区新宿281新宿セブンピル 603
        地下鉄丸の内線「新宿御苑前」駅より、徒歩3
       都営新宿線「新宿三丁目」駅・ビッグス新宿ビル出口より徒歩10
【講師】 新井道代
東京音楽大学を経て同大学院フルート専攻修了。大学院修士論文「モダン・フルートによるバロック音楽演奏について」は高く評価され、日本フルート協会会報に掲載された。同大学で1年間助手を務めた後、オランダ,デン・ハーグ王立音楽院古楽科に留学。2009年に同音楽院修士課程を修了し、帰国後は古楽アンサンブル、オーケストラを中心に演奏活動を行う。バッハ・コレギウム・ジャパンのマタイ受難曲公演に度々参加。2012年東京音楽大学公開講座「音楽のことば」フルートクラス講師。また、雑誌「季刊リコーダー」にバロック音楽に関する記事をたびたび執筆している。これまでにモダン・フルートを、相澤政宏、梅津正好、植村泰一の各氏に、トラヴェルソを前田りり子、バルトルド・クイケン、ウィルバート・ハーツェルツェットの各氏に師事。ぺアーレ埼玉フルート講師、アイゼナハ音楽院トラヴェルソクラス講師。
ホームページ http://www.michiyoarai.net/

【お申し込み】 各開催日の1週間前までに、お名前、希望クラス、簡単な音楽歴をお書きの上、michiyo0104@gmail.com までメールでお申し込み下さい。
*定員になり次第締め切ります。
*1週間前を切ってもお申し込み頂ける場合がありますので、ご遠慮なくお問合せ下さい。

2016年1月17日日曜日

コンサートのご案内

遅ればせながら、明けましておめでとうございます!

いつも家から一番近い神社に初詣に行っていますが、今年はそれでは飽き足らず(?)、今、パワースポットとして注目を集める、秩父の三峰神社にも行ってみました。
行こうと思い立って、行き方を調べたら、思ったより遠い!!
三峰口駅からさらにバスで1時間ほど・・・。
でも思い切って行って来ました。
とても山深いところにある、すてきな神社でした。
境内には温泉もあったのですが、入らずにいた所、帰り際に福引を引いたらなんとその温泉入浴券が当たりました!
また来てってことかな・・?


さて、コンサートのご案内です。
2月27日、新所沢の松明堂音楽ホールにて、ソプラノ、トラヴェルソ、ガンバ、チェンバロで、その季節にふさわしく春を予感させるような曲を集めて演奏します。
メインはボワモルティエのカンタータ「四季」より”春”です。
この曲はまさにこの編成、ソプラノとフルートと通奏低音のために書かれており、春が来た喜びを生き生きと歌い上げている作品です。
その他、それぞれのソロなども入れて、皆さまに春の兆しを感じていただけるようなコンサートにしたいと思っております。
どうぞ聴きにいらしてください!

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Le Printemps ~春を待ち望んで~

【出演】 中丸知美(ソプラノ)、新井道代(フラウト・トラヴェルソ)、小池香織(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、佐藤麻衣子(チェンバロ)

【プログラム】
J.B.deボワモルティエ:カンタータ「四季」より”春”
G.F.ヘンデル:「9つのドイツ語アリア集」より ”快い静けさ、安らぎの泉”、”燃える薔薇、大地の飾り”
H.パーセル:劇音楽「パウサニアス、国を裏切った者」より”薔薇の花より甘く”
        オペラ「妖精の女王」より ”汝ら、優しい空気の精霊たちよ”
W.バード:”鐘”
J.-M.オトテール:フルートと通奏低音のための組曲 ト長調 作品2-2
M.マレ:ヴィオール曲集第5巻 組曲 ト長調 より   他


2016年2月27日(土)14時開演(13時半開場)
松明堂音楽ホール 
(西武新宿線新所沢駅より徒歩2分)
http://shomeido.jp/ongaku/

【入場料】3000円(全席自由)

【チケットご予約、お問合せ】
メール baroquelustre*yahoo.co.jp(*を@に変換して下さい)
Tel  080-7951-9378
【チケットお取り扱い】 東京古典楽器センター 03-3952-5515