私の夫は趣味がジャズで、コロナ前は毎週日曜日、セッションに通っていました。
実は私も暇な時はついていって、モダン・フルートでセッションに参加していました!
ジャズをやるのは初めてで、あたふたしまくりだったのですが、
”ジャズの人ってすご~い”、と思ったことの一番は、やっぱりアドリブです。
私は初めは全くできなくて、でもできないのが悔しくて、行きの車の中でコードを分析してアドリブを考え(既にそこで即興ではないという話…)、楽譜にメモして準備したりしました。
でも、結局、セッションで他の人と一緒にやった時に、まぁ、”テンポはこれで”、と言えたとしても、ドラムのリズムとか、その他もろもろによる、その場のノリみたいなのがあって、考えていったアドリブが入れられず、結局その場で出てきたものを吹いた方がしっくりくる、ってことが何度もありました。
で、バロックにも、ジャズのアドリブに似ている”装飾”というものがあります。
即興で入れなければいけないわけではなくて、むしろ、”ちゃんと書いて準備しなさい”、と先生方には言われてきました。
この装飾を考える時に、ジャズのアドリブの件と同じようなことが起きるわけです。
ここに何か埋めなければ、と思って考えた装飾は、後からもう一度吹いてみると、取って付けたようでしっくりきません。
むしろ、何か考えてあるけど、とりあえず今の気持ちとノリで吹いてみよう、という感じでやってみると、書いてある装飾よりしっくり来るものが自然に出てきたりします。
”∼しなきゃ”じゃなくて、”~したい”、
コントロールじゃなくて、アウェアネス。
多分、そういうことなのかな?と思います。
それで、7月30日の演奏会でも、イタリア様式の、自分で装飾を入れる曲がたくさんあるので、鋭意装飾開発中です。
是非、たくさんの装飾を聴きにいらして下さい♪
ちなみに、ときおり、クヴァンツ大先生の「フルート奏法試論」の装飾の章を眺めています。
ただの「ドレミ」に、こんなに装飾を考えるって、すごいと思いませんか??
これが、「ドレミ」だけではなくて、あと15パターン位の音の並びに対して、それぞれ、こんなにたくさんの装飾例を書いているんですよ・・・。(遠い目)
これをそのまま自分の装飾に当てはめているわけではないのですが、クヴァンツ先生の例を見ていると、可能性ってたくさんあるんだなぁ~、ということを思い出させられます。
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2023年7月30日(日)昼公演14時(13時半開場)、夜公演18時(17時半開場)
コルテ・デル・トラヴェルソ vol.16
「ロンドンの外国人作曲家たち」
【プログラム】
W.de フェッシュ:トリオ・ソナタ ホ短調
F.バルサンティ:ソナタ ニ短調 op.1-1(リコーダーと通奏低音のためのソナタ)
G.F.ヘンデル:フルートと通奏低音のためのソナタ ロ短調 HWV367b
G.サンマルティーニ:トリオ・ソナタ ハ長調 op.1-3
G.F.ヘンデル:トリオ・ソナタ ロ短調 HWV386b 他
【演奏】フラウト・トラヴェルソ / 新井道代、バロック・ヴァイオリン / 堀内由紀、チェンバロ / 村上暁美
【入場料】会員:3,500円(当日4,000円) 一般:4,000円(当日4,500円)
【ご予約】こちらのフォームからご予約頂けます。 https://forms.gle/n9RBnqR8DBMCz75u7