「先生、これ、知り合いから仲介を頼まれたんですけど、どなたか生徒さんにいかがですかね?」
中を見ると、黒いトラヴェルソ。
刻印はベルギーの製作家、Weemaels。
結構年季が入っているように見えるそのトラヴェルソは、18世紀にイギリスで作られていたモデル、ステインズビーJr. (Staneby Jr.) の複製楽器だった。
その場でちょっと吹いてみたら、あら、結構いい感じ。
私はそのままそれを家に持ち帰り、1~2週間家で吹いて、生徒さんには紹介せずに自分で購入することにした。
今はもう、WeemaelsはステインズビーJr.を製作しておらず、
この楽器は1990年に作られたもの。
(もしかして、この楽器を紹介されるはずだったかも知れない生徒さん、ごめんなさい。)
7月30日のコルテ・デル・トラヴェルソvol.16は、この楽器を使いたくて企画しました。
今、吹けば吹くほど馴染んできて、あ、やっぱり良い楽器だった♪とウキウキしています。
最近、メインで吹いているTutzのI.H.ロッテンブルクは、ソプラノっぽいコロコロした、透明な感じのイメージがありますが、このステインズビーJr.は、アルト歌手のような、太い、しっかりした音がします。
この楽器で、18世紀前半にロンドンで活躍した外国人作曲家たちの曲を吹きます。
このレパートリーはこの楽器で吹かなければならない、とかそういう事を言いたいわけではありません。
ただ、楽器と出会ったご縁を形にして、皆さんと、どういう音がするんでしょうねぇ、こういう曲がどういう風に響くんでしょうねぇ、と、分かち合えればと思っています。
7月30日、ぜひ聴きにいらして頂ければ嬉しいです。
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2023年7月30日(日)昼公演14時(13時半開場)、夜公演18時(17時半開場)
コルテ・デル・トラヴェルソ vol.16
「ロンドンの外国人作曲家たち」
【プログラム】
W.de フェッシュ:トリオ・ソナタ ホ短調
F.バルサンティ:ソナタ ニ短調 op.1-1(リコーダーと通奏低音のためのソナタ)
G.F.ヘンデル:フルートと通奏低音のためのソナタ ロ短調 HWV367b
G.サンマルティーニ:トリオ・ソナタ ハ長調 op.1-3
G.F.ヘンデル:トリオ・ソナタ ロ短調 HWV386b 他
【演奏】フラウト・トラヴェルソ / 新井道代、バロック・ヴァイオリン / 堀内由紀、チェンバロ / 村上暁美
【入場料】会員:3,500円(当日4,000円) 一般:4,000円(当日4,500円)
【ご予約】こちらのフォームからご予約頂けます。 https://forms.gle/n9RBnqR8DBMCz75u7