2016年11月28日月曜日

ワークショップの感想

少し時間が経ってしまいましたが、11月13日に第7回トラヴェルソ・ワークショップを行いました。

この日は全く初めて参加される方も、リピーターの方もいらっしゃって、また有意義な時間を過ごさせて頂きました。

リピーターの方お二人にお願いして、ワークショップの感想を書いていただきましたので、ここに載せさせていただきます。

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【Oさんより】

指使いと息使い
ほっこりと温かい音のトラヴェルソです。それでも音階を出すと、指使いや息使いで音をつくる大変さと面白さに身体はオロオロと大忙しです。
新井先生は丁寧にお手本を示して、イメージだけでなく具体的な方法を説明してくださいます。

バロック音楽の理解
トラヴェルソでどのように表現するのか、バロック時代の歴史 お勧めの楽譜集 参考になる書籍まで、レベルに合わせて教えてくださいます。
自分で学ぶ方法が理解できます。

楽器の使用
新井先生がお使いの楽器を演奏させてくださいます。製作者やモデルが異なり、様々な響きや音色を聴く事ができる貴重な時間です。
木管大好きには興味津々でワクワク気分です。

グループワーク
参加者の演奏している姿や音を注意深く観て聴いて、できている事はしっかりと認めてくださいます。できていない事はどのように困っているかを受け止めて、解決策を共に考えてくださいます。
新井先生や参加者と共に演奏し、音やリズムを合わせる事で多くの気付きや学びができます。グループワークだからできる事です。
少しでも音やリズムが合い、できると実感するとまた参加したいなと思います。

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【Fさんより】

初めてトラヴェルソを聴いたのは今から約25年前で、当時の先生(モダン)がクイケンとズーンのCDを勧めてくださいました。

それまで「それが当然(無知ゆえ)」と思って聴いていたピアノのバッハ曲を、本来のチェンバロで聴いたとき受けた衝撃と同じくらい、トラヴェルソの素朴で美しい音にノックアウトされたのを覚えています。以来、銀の笛を練習しながらも、聴く楽曲は古楽器編成によるものの方が断然多くなりました。


トラヴェルソは、今でこそだい分身近になりましたが、ピッチも違うし、本物も楽器屋さんで見たり触ったりしたことがなかったので、遠い憧れの存在のままでした。
半年前、娘のフルート教室を探しておりましたら、偶然にもトラベルソ・クラスが都内で何カ所あることを知り、そのひとつが新井道代先生のレッスンでした。
何の迷いもなく、参加させていただきました。
右も左も分からない素人に、道代先生は手取り足取り、イロハから教えてくださいました。
とても分かり易く、優しく、モタモタしていても待って下さり、丁寧なご指導には感謝しきれません。
また、楽器も幾つもあって、吹き比べをし面白かったです。

長年の憧れだったトラヴェルソの音は、丸みがあってやわらかでした。
運指が違うので、ミス多発ですが、レッスンが終わる頃には、マタイの短いフレーズが合奏できて、感動的でした。

約250年も前に演奏された曲ってこんな音だったのかな…装飾が案外難しい…ビブラートは?…興味は尽きません。

木と風が作る音色は耳障りが良く、何とも幸せな気持になります。
楽しい90分、あっという間に過ぎました。続けていきたいと思っています。




2016年11月12日土曜日

西南学院マタイ受難曲

11月5日、6日と福岡の西南学院大学が主催しているマタイ受難曲公演に参加してきました。

合唱はこの公演のために集まったという、総勢160名という大所帯の合唱団でしたが、ドイツ語も深く研究されていて(メンバーに言語学者の方がいらっしゃるとのこと)、歌にもとてもまとまりがあって、素晴らしかったです。

オーケストラは福岡在住の方を始め、関西や東京、海外などから集まっていて、とても刺激的でした。
特に各楽器の首席には凄腕の方が集まっていて、そのような方の演奏を同じステージ上で間近で聴けるのは、いつも、役得だなぁ~などと思います・・。

今回は、私は前田りり子先生の隣で吹かせていただきましたが、オーケストラで隣で演奏させていただくのは久しぶりで、先生のパッションと優しさに、じんわりした1週間でした。

そして本番は、客席とステージが一体となるような温かい雰囲気で、参加できて良かったなぁとしみじみと思いました。












約1週間も福岡にいたのに、ほとんど写真を撮りませんでした・・・。
が、美味しいものはたくさんたくさん食べてきました!
帰ったら、家族に、顔が丸くなったと言われるくらい・・・。



一人とんこつラーメン。










さて、次の本番は11月19日です。
なんとマリンバとフルートの二人でデュオで演奏します!
地元、入間市のマリンバ奏者、安藤円さんが主催するコンサートです。
主にモダン・フルートで演奏しますが、少しだけ古楽器も演奏します。
お近くでしたらぜひ遊びにいらして下さい♪

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ジョイントコンサート
11月19日(土)14時~ (30分前よりティーサービスがあります)

シュテックメスト:歌の翼による幻想曲
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番より
浜辺の歌、ふるさと、アイリッシュソングスメドレー 他

フルート:新井道代
マリンバ:安藤円

ドリンク付き1500円

会場:入間市小谷田 リビン・ザ・ハート
リビン・ザ・ハートのサイト





2016年10月20日木曜日

木香職人ライブ

10月16日には、ルネサンス・フルートでの”音楽の秘宝”公演が無事に終了いたしました!
会場の3階音楽室は、気持ちの良い空間で、響きも心地よかったです!
普段はバロック・フルートでバロック音楽を演奏することが多いので、その一時代前のルネサンス音楽を演奏することは、歴史の連なりが感じられて、とても勉強になります。
準備や勉強にとても時間がかかりますが、当時の世俗曲など、とても楽しい曲もたくさんあり、また色々とやっていけたらと思います。


さて、秋は色々なフルートで様々な演奏会があるのですが、次は10月26日(水)に、古楽器による木管五重奏、木香職人+(もっこうしょくにんプラス)のライブがあります!

ルネサンスからは一気に300年ほどワープ(!?)して、18世紀末~19世紀前半に用いられていた8鍵式フルート(キーが8個ついている)で演奏します。

木香職人+の本番は2年ぶりです。
昨日、リハーサルがありましたが、とっても楽しいものになりそうで、わくわくしています。

会場は新宿・歌舞伎町の居酒屋、”でんぱち”さんです。
昭和な雰囲気ただよう、色々おいしいお店です。

ぜひぜひお越しくださいませ。

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木香職人+ でんぱち投げ銭ライブ 

10月26日(水) 19時半開演

【出演】新井道代(フルート)、杉本明美(オーボエ)、横田揺子(クラリネット)、大貫ひろし(ホルン)、永谷陽子(ファゴット)
【プログラム】モーツァルト:キラキラ星変奏曲、ダンツィ:五重奏曲 ト短調 op.56-2、カンビーニ:五重奏曲 ニ短調、 モーツァルト:ディヴェルティメント 他

【会場】でんぱち新宿店 (新宿区歌舞伎町1-15-8 丸雄ビル2階)

ご注文いただいた飲食代と、演奏者への投げ銭をお願い致します。

【ご予約】でんぱち新宿店 Tel 03-3200-8003



2016年10月9日日曜日

音楽の秘宝

10月3日の小金井でのコンサートでは、たくさんのお客様にお越しいただき、
緊張感のある中にも、楽しんで演奏してきました!

次は10月16日(日)に、ルネサンス・フルートでの演奏会があります。

ルネサンス・フルート3本と歌で、ルネサンス・フランドル楽派に焦点をあてて、
オケヘムとその後輩たちの作品を取り上げます。

昨年から活動を始めたアンサンブルで、毎回のリハーサルでは色々と話し合いながら、
勉強をしながら進めています。

ルネサンス音楽とバロック音楽の大きな違いの一つは、バロックが”旋律”と”通奏低音”という、言ってみれば”主役”と”脇役”(実際はそうでもなかったりもするのですが・・。)に分かれているのに対して、ルネサンス音楽はどの声部も対等で、それらが絡み合い音楽を作っていくという点です。

特にフルート同士のような同属楽器でのコンソート(アンサンブルの事。コンサートではありません!)では、織物の表面のように、どれがどの声部か見えたり見えなくなったり、それを追いかけているうちに曲の高みへと押し上げられていくような感覚を味わっていただけるのではないかと思います。

”ルネサンス”と聞くと遥か遠い昔の事、音楽もいかめしいのでは、と思っている方にも、
その美しさと楽しさを感じていただける演奏会にしたいと思います。

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音楽の秘宝
ルネサンス・フランドル楽派 オケヘムと後輩たち

10月16日(日) 昼の部 ・開演13:00(開場12:30) 夕方の部・開演16:00 (開場15:30)
* 同一プログラム2回公演
* 休憩なし・演奏時間1時間程度のコンサートです。

【会場】 
3F・音楽室(東京都渋谷区 千駄ヶ谷2-10-1、JR総武線千駄ケ谷駅下車 徒歩7・8分)

全席自由 2500円
* チケットレス公演です。ご予約を承ります。

【プログラム】
オケヘム:: Mort, tu as navré / Ma bouche rit / Presque transi
ジョスカン:: Adieu mes amours / La plus des plus
ド・ラ・リュー:: Secretz regretz 他

【出演】
ルネサンスフルート:相川郁子・新井道代・熊澤美華子
歌:乙顔有希

【お問合せ】
renaissance.minima@gmail.com
080-7951-9378



2016年9月23日金曜日

小金井での演奏会

コンサートのお知らせです。

10月3日(月)、小金井宮地楽器ホールにて、古楽器による室内楽の演奏会に出演します。
アンサンブルの曲からそれぞれの楽器のソロまで、聴きごたえのあるプログラムになっています。
武蔵小金井駅からすぐの会場ですので、お時間ございましたら是非お運びください。


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古楽器で楽しむバロック室内楽ひととき
2016年10月3日(月)19時開演(18時半開場)

小金井宮地楽器ホール 小ホール
(JR中央線「武蔵小金井駅」南口 徒歩1分)

全席自由 2800円

【プログラム】
テレマン:パリ四重奏曲 ホ短調
ラモー:クラヴサンコンセール第5番 ニ短調
ルベル:舞踏様々
ブラヴェ:フルートと通奏低音ためソナタ ロ短調 op.3-2 他

【出演】
新井道代(フラウト・トラヴェルソ)、小池はるみ(バロック・ヴァイオリン)、矢口麻衣子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、寺村朋子(チェンバロ)

【お問合せ、ご予約】 m1aytn*pc.email.ne.jp(*を@に変換) (矢口)

2016年8月22日月曜日

第5回ワークショップ行いました

昨日、8月21日(日)に第5回のトラヴェルソ・ワークショップを行いました!

今回は、既にトラヴェルソを吹いている方も、全く初めての方もご参加いただきましたが、
良い具合に、お一人お一人への提案と、音を聴き合ってのアンサンブルができたかなと思います。

トラヴェルソ初体験の方は、いままでCDなどでしか聴いた事のなかったトラヴェルソを実際に演奏されて、とても感動しておられました。

モダン・フルートとはまた違った、メカニズムに頼らずに自分で音を作って行くその”ローテク”さに驚かれていましたが、経験者の方が、「そこが楽しいんですよ」とフォローしてくださったりで、グループでのワークショップならではの楽しい時間でした。

私自身も、皆さんがトラヴェルソに初めて触った時の感動や驚きを目の当たりにして、自分がトラヴェルソを始めた時の新鮮な気持ちを思い出しました!

次回は、10月23日(日)13時~15時で、専門家クラス②を行います。
このクラスは、トラヴェルソを吹いたことのある、音大生や音大卒業生を対象にして、ボワモルティエのやさしい曲を通して、フランス・バロック音楽の演奏様式に触れます。
原則としてはトラヴェルソ経験のあるプロフェッショナルの方対象ですが、その他の方でご参加ご希望の方がいらっしゃればご相談に応じますので、どうぞお問合せ下さい。


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フルート奏者のための 
トラヴェルソ・ワークショップ
2016後半期

普段はモダン・フルートを吹いている方のための
トラヴェルソ体験講座です。

【日程】 
6回 1023日(日) 専門家クラス②13:0015:00
7回 1113日(日) 一般クラス 13001445, 専門家クラス①15:0016:45
8回 1218日(日) 専門家クラス② 13:0015:00

一般クラス趣味としてフルートを演奏されるためのクラス
専門家クラス①音大等でフルートを専門的に勉強している方、または勉強した方でトラヴェルソは未経験の方のためのクラス
専門家クラス②音大等でフルートを専門的に勉強している方、または勉強した方で、既にトラヴェルソ・ワークショップに参加した事のある方。または、トラヴェルソを吹いたことのある方。

*各回定員4名。楽器は一人一本を無料でお貸しします。一回のみの受講も、複数回の受講も可能です。
*楽譜、資料なども全てこちらでご用意します。

【内容】
〈一般クラス、専門家クラス①〉楽器の説明や音階を吹いてみることから始め、バロックのやさしい曲を演奏してトラヴェルソを体験します。
〈専門家クラス②〉ボワモルティエの組曲op.22を通して、フランス・バロック音楽の演奏様式を学び、トラヴェルソの体験をさらに深めます。

【受講料】
〈一般クラス、専門家クラス①〉3000/ 1
〈専門家クラス②〉3500円 / 1回 (ともに楽器レンタル代、資料代込)

【会場】アトリエ・ソノーロ 1600022 新宿区新宿281新宿セブンピル603
       地下鉄丸の内線「新宿御苑前」駅より、徒歩3(お申込み頂いた方には地図のリンクをお送りします)

【講師】 新井道代
東京音楽大学を経て同大学院フルート専攻修了。大学院修士論文「モダン・フルートによるバロック音楽演奏について」は高く評価され、日本フルート協会会報に掲載された。同大学で1年間助手を務めた後、オランダ,デン・ハーグ王立音楽院古楽科に留学。2009年に同音楽院修士課程を修了し、帰国後は古楽アンサンブル、オーケストラを中心に演奏活動を行う。バッハ・コレギウム・ジャパンのマタイ受難曲公演に度々参加。2012年東京音楽大学公開講座「音楽のことば」フルートクラス講師。また、雑誌「季刊リコーダー」にバロック音楽に関する記事をたびたび執筆している。これまでにモダン・フルートを、相澤政宏、梅津正好、植村泰一の各氏に、トラヴェルソを前田りり子、バルトルド・クイケン、ウィルバート・ハーツェルツェットの各氏に師事。ぺアーレ埼玉フルート講師、アイゼナハ音楽院トラヴェルソクラス講師。
ホームページ http://www.michiyoarai.net/


【お申し込み】 各開催日の1週間前までに、お名前、希望クラス、簡単な音楽歴をお書きの上 michiyo0104*gmail.com (*を@に変換)までメールでお申し込み下さい。

*定員になり次第締め切ります。 
*1週間前を切ってもお申し込み頂ける場合がありますので、ご遠慮なくお問合せ下さい。


こちらに今までのワークショップの事などを書いていますのでご覧ください。
ブログ内ワークショップの記事




2016年8月6日土曜日

デュファイ祭

昨日は”デュファイ祭”という、ギョーム・デュファイの619回目(!)のお誕生日を祝うコンサートに参加してきました。

留学前に師事していた前田りり子先生に誘っていただき、ルネサンス・フルート3本でデュファイの声楽曲をフルート・コンソート(アンサンブル)で、吹いてきました。

他にも、合唱やブロークン・コンソート(様々な楽器でのアンサンブル)の色々なグループが、全てデュファイの作品を演奏するという、私も初めて経験するような時間でした。

デュファイの曲、初めはなんだかとっつきにくかったのですが、演奏したりデュファイばかり聴いたりしているうちに、だんだん馴染んできました。

古楽器を始めてから、音楽史の授業でしか知らなかった作曲家を実際に演奏する機会が増えて、楽しいです。