2021年11月12日金曜日

古楽器で楽しむ古典派音楽 聴きどころ②

11月28日の「古楽器で楽しむ古典派音楽」、昼公演は満席となっております。
夜公演はまだ空きがございますので、ぜひ18時からの夜公演にお出かけ下さい。

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 前回は、「6つのディヴェルティメント」の中に、ハイドンのオペラ「月の世界」からの転用が行われているという話を書きました。

 この「月の世界」からの転用が行われているのは、第1,2,3,5,6曲目においてなのですが、実はここに入っていない4曲目では、バリトン・トリオからの転用が行われています。

 ”バリトン”、ご存知でしょうか?

写真:Wikipediaより



こんな弦楽器です。

表には6本or7本の弦が張ってありますが、それだけではなく、指板の裏に、9本∼24本の共鳴弦が張ってあります。

この共鳴弦は、表の弦に共鳴して鳴るという事ですが、それだけでなく、左手の親指でも弾かれます。

18世紀末までオーストリア、南ドイツ、東欧などで弾かれていましたが、調律も演奏もとても難しく、その後は段々と演奏されなくなっていきました。

ハイドンが仕えていたエステルハージ家の侯爵、ニコラウス・ヨーゼフ・エステルハージがこの楽器を非常に好んでいたので、ハイドンは175曲ものバリトン・トリオを作曲しています。


今回、演奏する「6つのディヴェルティメント」の第4番には、このバリトン・トリオの第97番の全7楽章の内、3楽章が転用されています。

「月の世界」からの転用では、曲にかなり手が加えられているものもありますが、このバリトン・トリオからの転用は、曲自体はほぼそのままで、バリトンパートをフルートに、ヴィオラパートをヴァイオリンに置き換えてあります。(チェロパートはそのままチェロで弾かれます。)

やはり元々が器楽曲だったせいか、ほかの5曲とは少し違う雰囲気があるような気がします。

ハイドンの生きていた頃には弾かれていた、この”バリトン”という楽器にも、少し思いを馳せながら聴いていただけたら幸いです!


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古楽器で楽しむバロック音楽番外編

古楽器で楽しむ古典派音楽 in アミーゴ!

【プログラム】

F.J.ハイドン:6つのディヴェルティメント Hob.IV:6*,7,8,9,10**,11
(*昼公演のみ、**夜公演のみ)


【演奏】
新井道代(クラシカル・フルート)、池田梨枝子(ヴァイオリン)、野津真亮(チェロ)

【入場料】 前売 2000円 当日 2500円

2021年1128日(日) 
昼公演 満席となっております。14時開演(13時半開場) 
夜公演 18時開演(17時半開場)
(各回25席)

入間市文化創造アトリエ・アミーゴ! スタジオ (西武池袋線仏子駅北口徒歩5分)

【お申込み、お問合せ】
コンサート事務局  メール:baroque.office@gmail.com Tel:050-7132-0903